【ミリアニ第1幕ネタバレ注意】ミリアニ見て思ったことまとめ

 ミリアニを数回見まして、ようやく自分の中で色々解釈や考察など落ち着いたので、メモ代わりに書き記していきます。

 

 

第1話

・蝶の羽化

 未来たちがソフトボールの試合をしている時に挟まれる、蝶が羽化する描写。まあ言うまでもなくパピヨンですね、OPの一番最初でもパピヨン出てきますし。蛹が蝶になるように〜♪

 

 ところでいきなり話題はアニメとちょいズレですが、パピヨンのマークは一体何のモチーフなんでしょうね。よく言われているのはMの字のかたちですし、それこそミリシタ周年曲的には、シンプルに「羽開き、羽ばたいていくもの」のモチーフにも思われます。

 今回アニメの描写を見てふと僕が思ったのは、「気まぐれに少女たちの前に現れるが、すぐにひらひらとどこかへ飛び去ってしまう輝き」なのかなと感じました。別の言い方をすれば『幸運の女神には前髪しかない』でしょうか。

 それは全く儚い存在で、手放そうと思えばあっさり離れて消えてしまうのです。しかもいつかは息絶える理。見る人によってはまさに偶像でしょう。

 そして、そんな夢幻の蝶を追いかける少女たちのストーリーこそが、ミリオンライブである……と。

 

 パピヨンがまるで残酷な存在であるかのような捉え方ですが、実際アイドルには残酷な面があることは否定できませんし、そうであるがゆえの魅力を間違いなくミリオンライブは持っていますから。

 

・多重部員

 話題をアニメに戻しまして。

 未来がお手伝いしている部活は8つでした。ソフトボール、バスケ、水泳……エトセトラ。なんかゲッサンの時より増えてますね。

 また学内の部活の応援だけでなく、子供たちの遊び相手になったり、お年寄りと卓球をしてあげたりと、活動の幅も広がっています。

 

 そしてここから、アニメミリオンライブがいかに丁寧なアニメであるかの話が始められます。

 まずこの時点で未来は、学内外の人々の手助けをしており、さらに「試合で点をあげる」など何かしらの結果を残しています。つまり未来は誰かを応援することにおいて非常に高い適性を持っており、さらに彼女自身でも積極的な姿勢を見せているわけですね。

 次に、これが繋がるのが765ASのライブシーン。春香の歌唱した "頑張れ!" のシーンに未来は強く影響を受けたことは明示されていますが、これは未来が応援適性積極性共にSランクであるがゆえに、その姿に自分自身を重ね合わせた結果であることが推察されます。

 で、さらにこれは未来と静香の公園〜オーディションのシーンに活かされます。アイドルになることが夢という静香に対して、すっかり静香のファンになってしまった未来は、色々な声がけをしてあげることで見事、静香がアイドルになる手助けを成功させてしまったのです。

 その後も工事の人たちに感謝を述べたり、「何かやりたい!」とアイドルたちの想いを汲み取って『原っぱライブ』を企画したりと、彼女の手助けはとどまることを知りません。

 

 もうこの流れがあまりに綺麗ですよね。情報の出し方と転がし方とが、簡潔かつ明瞭かつ丁寧。

 10年も続いているコンテンツですから、多少設定のごちゃつきはあっても仕方ないと思うんですが、キャラ設定の時点で非常に綺麗に作られていることがよくわかります。

 

・公園のシーン

 ここには色んな諸々が詰め込まれていますので、とりあえず静香の話をしましょうか。

 まず "ToP!!!!!!!!!!!!!" を歌う静香。ここで未来は静香に惚れ込んでしまいます。個人的には、ここの歌唱に10年来の重みを感じたというか。もともと歌の上手い子ではあるけどとはいえあのレベルの歌唱は結構最近の成長した静香じゃないかなぁなんて思いもしましたが、まあ上手い分には別に良いかとも思うのでモーマンタイです。何より未来が一瞬でファンになるくらいですからね。

 

 その後、未来がジャングルジムに向かって走り出す場面。

 ここは結構意味ありげですね。未来が静香の隣をまるで抜き去ってしまうようなカットが挿入されています。もしかすると、未来が静香よりアイドルとして先を行くような展開の伏線かもしれません。そうなるとゲッサンとは真逆ですが……果たして。

 

 そもそも、ミリアニの静香って、ゲームの静香と明確に違う点が1つあって。ゲームの静香はオーディションに1人で合格しちゃうんですよ。だからこそアイドルの最初のファンはプロデューサーみたいな話も生まれますし。

 それが今回の静香は、かなり未来(と翼)に頼る形でオーディションに合格しました。結果、静香の性格や言動にもやや差違が生じると考えられます。

 

 これまでの作品であれば、周囲の大人に反対されながらも自分のやりたいことを決めて実際に一つ成果を出す(=アイドルになる)、という経験をアイドルになるタイミングで済ませています。そしてだからこそ、Pに対して初対面から強く当たれたり、いわゆる「しずしほ」のような強気な姿勢を出したりしても、そこまでの違和感もなく受け入れられます。

 一方で今回はその経験がなく、アイドルという夢に対して、自分の実力だけで何かを掴むことがまだ出来ていません。何ならメンタル面は相当未来頼みなのが現状です。

 ぶっちゃけアニメの静香に「私は一人でも大丈夫だからほっといてください!」って言われても、いや君オーディションのとき未来に助けられてたやないかーいって思っちゃいますね。

 

 ただしその分、ゲッサンで千早も言っていた、他人との繋がりを静香は築くことができています。すでに未来と静香との関係性は、ゲッサン後半期のそれ。

 

 なので、ミリアニの静香関連の話として、ゲームでやっている「父親との諍いにPたちが介入して手助けする」よりかは、「期限付きのアイドル活動をしている中で生じる未来とのアレコレ」がメインになると考えられます。もちろん前者の話も拾うことは拾うでしょうが。

 

第2話

・オーディションに向けて練習

 南池袋公園(だよね?)にて、課題曲 "Rat A Tat!!!" の練習をする未来と静香。池袋なのは、豊洲直通の有楽町線が通っているからですかね。ちなみに静香の出身地は埼玉なんですが、もしかすると現住居は東京に移してるんでしょうか。

 そしてここで、765プロアイドル募集プロジェクトのオーディション内容が明らかになります。意外と厳しいらしい765プロのオーディション。あの社長と2人のPで、はたして本当に厳しいオーディションになるかは疑問ですが……。

 レッスン中には、未来がお弁当を静香に振舞う場面もあります。デートかな。

 始めは笑われてしまうレベルだった未来のダンスも、数時間練習しているうちにすっかり見違えて上手くなりました。通行人の表情でそれを描くのは、よくある手法ではあるものの、ミリアニの巧さが出ていますね。

 

・未来とPとの3度の遭遇

 場面はオーディション当日へ進みます。

 会場である中野サンプラザにたどり着いた未来が、またも偶然通りすがったプロデューサーにぶつかってしまう場面。

 この場面は計3回繰り返されますが、その3回でプロデューサーの反応が変わっていることは注意すべき描写でしょう。1回目はプロデューサーも受け止めきれず、ややぐらつくような反応。しかし2回3回と積み重なると、プロデューサーも肩に手をやって受け止めるぐらいの対応を見せるようになります。ぶつかり稽古ですね。

 この描写は、後々プロデューサー自身が成長することを示唆しているとも考えられます。元アニマスでもプロデューサー(現チーフの方)が成長する展開はありましたから、期待して良いでしょう。

 加えて、面接の際に未来が放った「さっきぶつかった人!」という言葉から、おそらく未来は1回目2回目の遭遇を覚えていないものと思われます。未来ちゃんだもの。

 

・オーディションの手伝いをするアイドルたち

 未来、静香、翼のメインどころは1話時点ですでに登場していますが、2話からは他のアイドルたちもちょこちょこ顔を覗かせるようになります。

 最初に出たのがレッスン中の奈緒・百合子・志保トリオで、回想に残りのバックダンサー組。そして次に出て来るのは、オーディション会場にてお手伝いをする数人のアイドルたちです。

 海美、琴葉、桃子、このみさんが選出されていましたが、琴葉とこのみさんは落ち着きのある大人的立ち位置として、桃子はある程度芸能界に通じているご意見番としての起用でしょう。海美は……いざとなったときに足が速いからとかですかね。面倒見もいいし。

 作中では、海美のコミュによく出て来る例のポーズが再現されていたり、このみさんの免許証が出たりと、とかくネタに尽きませんでしたが。

 中でも桃子が途中呟いた「演技……」というセリフは、後々の展開にも関わってきそうなセリフ。もしかして39人それぞれにメイン回的なものがありうるのか、という期待のもてるシーンです。

 

・ステージオーディション

 というわけでいよいよ第2回のメインどころである、オーディションライブ……なんですが。

 ぶっちゃけた話、綺麗な展開を追う上ではまぁ別に何か言うアレもなくて。みんな是非映画館で見てくれよな!ぐらいですかね。

 

 ただあえて言うことがあるとすると、静香が緊張を乗り越えてラスサビに入るタイミングで、プロデューサーたち観客が見たあの幻。

 もちろんアニメ的な表現ではあって、多少大袈裟なところも認められるんですが、一方このシーンはミリアニの丁寧さを形作る一部でもあると個人的には考えています。

 未来、翼の助けによって静香が復活し、3人の輝きから39人のステージが見える。その39人のステージって、つまるところミリオンスターズのアイドル活動の象徴じゃないでしょうか。歌唱、ダンス、演技、その種類を問わず39人のアイドルの物語を象徴したものだと思うんです。

 そしてそう捉えたとき、プロデューサーが見た幻は「春日未来の加入によって、アイドルユニット・ミリオンスターズの活動が始まる」と解釈できるんです。未来は、いわばミリオンスターズのエンジンなんです。

 その裏付けと言ってはなんですが、第4話までに流れる歌付きのミリオン曲としては "Rat A Tat!!!" と "セブンカウント" のみ。そのどちらもが、テーマとして「これから始まる」を持っているんです。

 第2話での未来の見せた幻と、第4話での未来の語り。これらによってようやく、ミリオンスターズの物語は紡ぎ出されていきます。

 

 しかもステージで幻を見るという展開は、1話の春香から未来へで既に済ませていますから、展開として無理な話ではありません。

 むしろ、自分の見つけた輝きを誰かに伝える、そんなステージの出来る未来だからこそプロデューサーも合格にしたと思えば──。

 

 まあとはいえ、39人が本当にステージ上で踊ってるみたいな描写をされているせいで、シーンとして浮いて見えるみたいは指摘も分からんではないです。

 

第3話

・多種多様な仲間たち

 見事オーディションに合格した未来、静香に、加えてスカウトされた翼が案内されたのは、まさかの原っぱ〜〜〜!?

 

……ではなく、我らが765プロライブ劇場(建設中)。そこで未来たちは、765プロのバラエティ豊かな面々と顔を合わせることになります。

 劇場の外でアートを制作中のロコ、どこか見覚えのある馬?に乗って現れたまつり、劇場の中でキャッチボールをしている昴に海美、すぐ妄想に耽ってしまう百合子、オンオフの激しい杏奈。星梨花が「個性が……」の悩みを抱えてしまうのも時間の問題ですね。

 

 そんな個性たっぷりのメンツで送った初めてのレッスンについて。

 今回のミリアニの世界観は「『輝きの向こう側へ』の続編らしきもの」なので、百合子、杏奈、星梨花の3人は大きな舞台を一度経験しています。そのおかげか、レッスンを終えた直後でも余裕のある様子を(1人以外は)見せていました。

 ですがまつりについては、恐らく3期生?に当たるので、まだ舞台経験など不十分なはずです。それでもついていける辺り、まつりがまつりである所以でしょう。

 

 それから、ゲッサンのお話を意識されていることはもはや言うまでもありませんが、ゲッサンと比べて未来の柔軟性がちゃっかり上がっていました。あとついでに言うと、翼の初登場シーンはどちらも「初めて見たダンスをあっさり踊りこなす」ですが、ゲッサンでは途中までしかダンスを覚えられなかった翼が、アニメでは全部通して完璧に踊りこなしていました。

 もちろん物語の展開との兼ね合いもあるでしょうが、未来・翼のポテンシャルはやや高めに設定されているように感じますね。

 

 ついでのついでに触れておくと、『輝きの向こう側へ』にはバックダンサー組以外のアイドルが登場するシーンがあります。そう、エンディングですね。

 琴葉、風花、エミリー、まつりの4人が写り込んだ、可奈がオーディションに備えているシーンの1枚絵ですが、妥当に考えるならこれは765プロへのオーディションでしょう。

 しかしミリアニでは、ひとまずバックダンサー組7人を1期生として採用し、さらにオーディション・スカウトによって2期生、3期生……を獲得していくという流れになっているので、ここでもまた世界線の分岐が生じていそうです。

 

・初めてのステージ

 場面変わって、現場大臣さんの取り仕切るステージの方へ。

 未来の聞いた「初めてのステージはどんな景色だった?」に対して、杏奈や星梨花が表情を曇らせるシーンがあります。百合子の返答からするに、大方どう伝えたら良いか表現方法が分からないみたいな表情なんでしょうが、僕はちょっと違う可能性も考えました。

 

 もし彼女たちが劇場版と同じ道筋を歩んでいるなら、バックダンサー組の最初のステージってマスピ歌ったアレじゃなくて、大失敗して志保がキレたやつなんですよね。

 だから「最初のステージ」にはそんなに良い印象って無くて、でも未来たちにそのことを言うのも憚られるから……の結果、どう答えたら良いかわからないの表情になったのかなと。

 もちろん全く『輝きの向こう側へ』と同じにはならないと思われますが、すでに志保が可奈のことを「可奈」呼びしているところからも、何かしら一悶着はあったんだろうなぁと察せられます。

 そして、仮にそんな悩みがあったとするなら、百合子はその悩みのことは言わずにステージのポジティブな魅力を述べたわけですから、立派に劇場の先輩的ポジションを務めてくれたことになります。

 

・呼称の話

 ここはもうミリアニ全然関係ないんですが、呼称の話が出たので。

 

 未来→百合子が呼び捨てなのは有名な話ですが、他にも昴を呼び捨てにしています。ソフトボール仲間だからでしょうね。

 年上の呼び捨てはその2人だけで、あとは同い年の翼、志保、可奈、杏奈に、年下の星梨花と環も呼び捨てで呼んでいます。

 じゃあ他の年上はどう呼ぶんだと言えば、これが案外規則的なもので、8割ぐらいのアイドルに対して「成人してたらさん付け、未成年の年上にはちゃん付け」ルールが適用できます。このみにはさん付けで、琴葉にはちゃん付けなんですね。

 ただもちろん例外もあり、それが

 

(ちゃん)麗花

 

(さん)海美、歩、のり子、可憐、ジュリア

 

です。麗花のちゃん付けはまぁ確かに分かるし、歩、のり子、可憐、ジュリアあたりも大人っぽい見た目をしてるから、さん付けしてしまうのも分かります。

 

 海美は…………?

 未来→海美ってさん付けなんですね、最近知りました。タイプ的にも近く、仲も良さげなのにさん付けしているのは、もしかすると今回の百合子みたいにちょっとしたエピソードがあるのやもしれません。

 

 ちなみに百合子に対しては静香も呼び捨てにしています。未来との感動のエピソードが終わった後、自分も同じだという顔して呼び捨てにし始めたのだとすれば、実に最上静香ですね。

 あと翼と可奈はちゃん付け、残りの14歳組からはさん付けです。

 一方百合子が呼ぶときは、未来、翼、志保が呼び捨てで、残りのシアター14歳組にはちゃん付け、やよいには貫禄のさん付けです。先輩後輩序列のしっかりした体育会系女子なのか。

 

・プロデューサーの話

 第3話では、アイドルたちはひとまず挨拶を済ませていく展開になりますが、プロデューサーの方では少し物語が進みます。

 それがチーフプロデューサーからプロデューサーへ、アドバイスがなされる場面。

 劇場がオープンする2ヶ月間、アイドルたちのために何か自分に出来ることはないかと悩むプロデューサーに対して、チーフはアイドルたちと一緒に考えようと提案しました。

 これはアニマスを経験したチーフだからこそ言えることだと思います。律子がプロデューサーとなって竜宮小町を結成した際、彼も何かやらないとと焦りを感じて、結果ダブルブッキングの失敗をしてしまいました。しかも、確かこの回の会話が、12話の美希回へ繋がっていくとかでしたよね。

 大事なのはアイドルとプロデューサーとの対話。ちゃんと39人全員と話し合いながらアイドル活動を進めていきましょう。多いな?

 

第4話

・37人全員登場

 第4話にてようやく、37人が顔を見せることになります。ていうか紬歌織はやっぱり後からの参戦なんですね。後輩的なポジションがいるとお話が作りやすいんでしょうか。

 それはさておき、実質20人強が一気に登場していくことになりますので、お話としては「ミリオンライブを知らない人が見るとちょっと混乱しないかな……?」という一抹の不安が湧き上がります。今までがキャラ紹介についてスローテンポに進んでいたので、唐突な加速にビックリしそう。

 でもそのおかげと言うべきか、お話の内容はミリオンライブらしいかなりカオス極まりないものになっていました。37人それぞれの会話からフェスの内容などが決まっていく、なんかグリのフィーチャリングを思い出します。

 

 急ぎ足なキャラ紹介パートの中でも、伏線と思しき場面がちらほら見受けられました。例えばのり子の「アイドルっぽい可愛らしいことはまだできない」というセリフ。後々のり子回で引用されるやもしれない文脈ですね。

 それから、これは前回からの続きにもなりますが、ASのライブについて行ってるメンバーたち。彼女たちが果たしてどんな経験を積むのか、以降のお話でぜひ触れてほしい部分です。

 

 あと、原っぱライブの舞台を作っている際に静香が言った「アイドルになることが私の夢」。これを受けた翼は、何か言いたげな表情になっていました。

 現状翼はキャラの深掘りが十二分になされているとは言えないので、これからどのように描かれていくのかが楽しみです。

 

 話ももう少し先に進めて、桃子が1人で悩んでいるシーン。見守るばかりの琴葉と、声をかけてあげた瑞希

 まず瑞希が声をかけたことに僕はビックリしました。そこで瑞希なのかと。意外な積極性でしたね。

 一方の琴葉は、後々の伏線になるやもしれない動き。助けてあげたいけど一歩が踏み出せない琴葉、この先どうなることやら。

 

・雨

 これはそんなに大仰な話でもないんですが、原っぱライブのことで劇場がカオスになっていく最中、美咲が劇場外に茜のグッズ第2弾を見つけたシーンで、全体的に明るさが落ちてるんですね。その後ロコアートを見にいくシーンでは、ロコアートを通して空が真っ黒になっていることが描かれています。

 この辺りにもミリアニの丁寧さが出ています。『暗雲立ち込める』を現実的な描写で行い、未来たちのシーンで唐突に雨が降ってくることのないようにしているんです。

 

 他にも、桃子が出て行った後、恵美がつぶやく後ろで育も何か口を動かしているなど、とかく背景で物語を展開させていたところが本当に丁寧だし、アニメ的な表現ですよね。

 

まとめ

 大体の感想でも言われていることではありますが、もともとPだった人にとっては、どうしても期待はあまり出来ずに見にいった作品でしたし、その結果非常に良いものが返ってきてビックリしています。

 

 ただ、もちろん笑える・泣けるアニメですし、出来も良いものの、現状4話で「神作!」と言えるほどかと言われると、そうではないなぁと思います。それは単に「批判できるところがある」とかの文脈ではなくて。

 いわゆる全世界沸騰の話題作みたいなアニメは、そのアニメがコンテンツの中心になっちゃうんですよ。設定やら展開やらが、アニメを原作とする形でまとまる。下手すると、もともとあったそのコンテンツとは、また別のコンテンツとして存在しかねない。

 

 でもミリオンライブというコンテンツは、やっぱりゲームの展開が中心に間違いなくあって。それに付随する、あるいは宣伝の目的でアニメが存在しているわけで。

 だからミリオンのアニメに求められることは、神作品であることではなくて、良作品であることだと僕は思うんです。例えば原作ゲームのネタを拾ってくるだとか、ゲームでは描ききれなかった文脈を描くだとか。

 もともといたファンにも受け入れてもらえて、かつ新規ファンも獲得できるラインが、良作品と呼ばれるアニメだと思います。

 

 で、今回のミリアニはまさしく、その意味での良作品……になると思います。

 何せまだ4話だけですから言い切ることは出来ませんけれど、でも今現在やっている設定の下地作り、序盤の展開などを見るに、ミリオンのPには間違いなく受け入れてもらえるし、初めて見る人の中にも「面白い! ミリシタやってみようかな……」となる層がいるほどの出来になりそうな予感が今からしています。